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スマート・シュリンクについて語る林良嗣・東海学園大学卓越教授=2024年8月29日午後3時58分、名古屋市、鈴木裕撮影

 スマート・シュリンク(賢い集約)か、ミゼラブル・シュリンク(惨めな衰弱)か。人口減少で社会が縮んでいくこれからの日本で、都市機能をどう維持していくかの問いに、林良嗣・東海学園大学(愛知県)卓越教授は二つの選択肢を挙げる。石破首相が重点政策に掲げる「地方創生」に向け、限りある資源をどう活用すべきか。地球の未来を研究する国際的なシンクタンク「ローマクラブ」本部執行役員・日本支部長を務める林教授に聞いた。

 日本社会が、将来にわたって現在の都市ストック(道路や上下水道など公共サービスのインフラなど)を維持できるのかは疑問です。少子化で日本の人口は21世紀末までに、半減するのはほぼ確実です。半分の人口で、今のままの都市ストックを維持するには税負担は2倍にせざるを得ない。だが、将来の世代に2倍の負担力があるとは考えられない。

 さらに気候変動の影響で、台…

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